言語聴覚士
言語聴覚士についてお読みになりたい内容をクリックすると、その記事までジャンプします。
●言語聴覚士とは
●言語聴覚士の歴史
●言語聴覚士に必要な心構え
●言語聴覚士の仕事
●言語聴覚士の職場
●コミュニケーション障害について
●言語聴覚士になるためには
●言語聴覚士試験の受験資格
●言語聴覚士の指定養成所での履修
◆言語聴覚士とは◆
言語聴覚士(ST)とは、言語聴覚士法に基づいて、音声・言語・聴覚に障害のある方に対し、機能の維持向上を図ります。
そのためには、言語訓練や必要な検査及び助言・指導などを行います。
言語聴覚士は、医療機関、保健・福祉機関、教育機関などの幅広い場所で活動し、コミュニケーションの面から豊かな生活が送れるよう、ことばや聴こえが不自由な方とそのご家族を支援するコ・メディカルの一種です。
私たちは言葉によってコミュニケーションを取り、気持ちや考えを伝え合いながら生活をしています。
言葉によるコミュニケーションには「言う」「聞く」「知る」などの各機能を利用していますが、病気や交通事故、発達上の問題などでこれら機能が損なわれたり身に付ける事が難しかったりします。
言語聴覚士は、言葉によるコミュニケーションに問題がある方に専門的なサービスを提供し、コミュニケーションの確立を目指す職業です。
また、摂食・嚥下の問題にも専門的に対応します。
※コ・メディカルとは?
コ・メディカル(co-medical)とは、医師、歯科医師、薬剤師以外の医療従事者のことです。
昔から、日本での主な医療職と呼ばれる職業は、医師、歯科医師、薬剤師、看護師の4職種でした。
しかし、医療技術の高度化や医師・歯科医師の専門性向上をカバーできる高度医療従事者が排出され、コ・メディカルの職種が増加しました。
◆言語聴覚士の歴史◆
言語聴覚士は、1997年にできた新しい国家資格です。
身体・精神障害分野のリハビリテーションを行うセラピストは、1965年に理学療法士法・作業療法士法が法制化され、理学療法士と作業療法士の国家資格が誕生しました。
しかし、言語・聴覚・えん下(飲食物の飲み込み)の分野のセラピストは、活躍分野の限定や受験資格などについて関係者の意見がまとまらず、長期に渡って法制化が遅れていました。
法制化以前にも、言語などのリハビリテーションを行うセラピストは存在しました。
「言語療法士」「スピーチセラピスト」「聴能言語士」などと呼ばれ、医療などの分野で活躍していましたが、公的な資格として認められていませんでした。
その後、理学療法士・作業療法士より30年以上の遅れて言語聴覚士法が制定され、国家資格が誕生しました。
言語聴覚士は、医療に限らず「介護」「教育」の分野でも活躍が期待される「言語」「聴覚」「えん下」のリハビリテーションの専門職として、本格的な養成が始まりました。
◆言語聴覚士に必要な心構え◆
言語聴覚士には、知識や技術だけではなく、自分の思いを言葉で表現できにくい方々の気持ちを素直に受け止めることができる豊かな人間性と、相手の思いを上手に引き出す力が求められます。
言語聴覚士が接する方は、さまざまな気持ちを伝えたくても伝えられないかったり、伝えにくい方がほとんどです。
言語聴覚士には、気持ちを表現しにくい方々の言いたいことを察知する努力が必要です。
そのためには言語聴覚士としての知識や技術のほかに、豊かな感性・観察力・想像力・表現力やコミュニケーション能力などが必要です。
◆言語聴覚士の仕事◆
言語聴覚士は、言語や聴覚に障害を持つ方のコミュニケーション障害を評価し、改善などを行うための援助を行います。
例えば、脳に障害を負って失語症になった方や声帯を切除したため発声訓練が必要な方などへの援助を行っています。
言語聴覚士は、ことばによるコミュニケーションの問題は脳卒中後の失語症、聴覚障害、ことばの発達の遅れ、声や発音の障害など多岐に渡り、小児から高齢者まで幅広く現れます。
言語聴覚士はこのような問題の本質や発現メカニズムを明らかにし、対処法を見出すために検査・評価を実施し、必要に応じて訓練、指導、助言、その他の援助を行います。
このような活動は医師・歯科医師・看護師・理学療法士・作業療法士などの医療専門職、ケースワーカー・介護福祉士・介護支援専門員などの保健・福祉専門職、教師、心理専門職などと連携し、チームの一員として行います。
言語聴覚士は、次の機関や施設などで活躍しています。
・病院、診療所のリハビリテーション科や耳鼻咽喉科
・難聴幼児通園施設、障害者更生施設、重症心身障害児施設などの社会福祉施設
・保健所
・介護老人保健施設 など
◆コミュニケーション障害について◆
コミュニケーション障害は、大人の場合は病気や事故などが原因となって発生し、後遺症として残ります。
脳で疾患が発生して、言語中枢が傷つくと失語症になります。脳にダメージを負った場合は、失語症だけではなく手や足などに麻痺も残ることがあり、社会に復帰することはとても困難になります。
また、子供の場合は出生時から障害を持つ場合が多いです。障害と共に成長していくため、家庭・学校・社会生活での問題が発生します。
人間が発声や発音する器官は、食べたり呼吸するための器官なので、言語聴覚士は食べることの障害(摂食・嚥下障害)のリハビリテーションも行います。
様々な問題に対応して、障害を持つ方の生活の質を向上するよう援助していくことが、言語聴覚士の役目です。
言葉によるコミュニケーションの問題は、失語症・聴覚障害・言葉の発達の遅れ・発音障害などがあり、子供からから高齢者まで現れます。
私達は、コミュニケーションの多くを言葉により行っていますので、言葉に異常があると生活が困難となります。
言語聴覚士は、人と人とをつなぐ言葉の発声をお手伝いしています。
◆言語聴覚士になるためには◆
言語聴覚士は国家資格です。言語聴覚士資格を取得するためには、年1回、例年3月に行われる国家試験を受けて合格しなければなりません。
試験は、財団法人医療研修推進財団が行っています。
◆言語聴覚士試験の受験資格◆
・最終学歴が高校の方の場合
【1】
指定養成所などで3年以上修業する
【2】
大学(短期大学含む)などで2年以上修業のうえ指定科目を履修し、指定養成所などで1年以上修業する。
【3】
高専で5年以上修業のうえ指定科目を履修し、指定養成所などで1年以上修業する。
【4】
大学(短期大学含む)などで1年以上修業のうえ指定科目を履修し、指定養成所などで2年以上修業する。
【5】
高専で4年以上修業のうえ指定科目を履修し、指定養成所などで2年以上修業する。
【6】
短期大学をのぞく大学で、指定科目を履修し卒業した者
・最終学歴が一般大学の方の場合
【1】
指定養成所などで2年以上修業する。
◆言語聴覚士の指定養成所での履修◆
言語聴覚士の指定養成所での履修科目科目は、次のようなものです。
医学
心理学
言語学
音声学
音響学
社会科学
言語聴覚障害学総論
失語・高次脳機能障害学
言語発達障害学
発声発語・嚥下障害学
聴覚障害学 など
このほか、臨床実習として病院、リハビリテーションセンター、小児の療育施設などでの臨床実習を受けて、必要な知識・技術・倫理を修得します。